風の通る道 by mamaneko

人や音楽や本は、出合うべきときに出会うね。本当に不思議だけれど。風のように、波のように。風の通る道。そんな話を少しずつ。

世界のポップミュージックを変えた名盤「ペット・サウンズ」(ドキュメンタリー映画「エコー・イン・ザ・キャニオン」を観て)

録画してあったドキュメンタリー映画「エコー・イン・ザ・キャニオン」を観る。

よかった(^^♪ エキサイティングだった! 

60年代から70年代にかけてハリウッド近くの「ローレル・キャニオン」に多くのミュージシャンが移り住み、自然と集まり、そこで語り合い、刺激し合って、詩を書き、曲をつくったそうだ。もしローレル・キャニオンがなかったら、いまの音楽シーンがまったく違ったものになっていたかもしれない、というほどの濃密な人と人とのつながり。

高め合う仲間の存在。プライド。熱い想い。(でも、カリフォルニアだから、どこかみんな明るいんだけど。ニューヨークとは違う感じの)

ミュージシャンたちにインタビューするのは、ジェイコブ・ディラン。ボブ・ディランの息子だ。

 

たとえば、アメリカの伝統的なフォークソングピート・シーガーなどの)を〝エレキギター〟で演奏し、さらにフォークソングの歌詞(生活や恋愛の詩が多い?)とはまったく異なるタイプの詩を書いて演奏。(ビート詩の影響もあったかもしれない。←私の個人的な感想…)。そして、フォーク・ロックという新しい音楽を生み出した ザ・バーズ

「よく知っている友だち(ザ・バーズ)がいい曲をかいて、それがヒットした」ことに刺激を受けて、ザ・ママス&パパスが作ったのが(その頃はニューヨークに住んでいたが)「夢のカリフォルニア」。

そしてビーチボーイズ! 

ビーチボーイズというと、青い空や海、メジャーコード、明るい音楽のイメージだけど、実は実験的な音楽づくりを幾度も繰り返していた。あの、陽気な「カリフォルニア・ガールズ」の、ダッダダッダ、ダッダダッダというリズムは、バッハのリズムを参考にしたっていうのが、おどろき。

そして、(ビーチボーイズにとっては、ある意味)問題作であり、しかしのちに、世界のポップミュージックを変えたとまで言われる名盤「ペット・サウンズ」が生まれ、それに影響をうけたビートルズは、「ペット・サウンズ」に追いつこうと、「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」を生み出した――。

 

 ローレル・キャニオンに住み、仲間がつくる音楽に刺激をうけて、「もっといい曲をつくろう」と切磋琢磨しあって生まれたたくさんの楽曲。ザ・バーズバッファロー・スプリングフィールド、ザ・ママス&パパス、フランク・ザッパビーチボーイズ…! 

多くのミュージシャンが集うように住んだ、ローレル・キャニオンがもしなかったら、世界のポップミュージックは、いまとは異なる音楽性だったかもしれないし、日本人ミュージシャンの、あのグループも、あの名盤も、生まれなかったかもしれない。

 

とてもエキサイティングなフィルムでした。

 

これWOWOWで録画したんだけど、日本での上映も決まったそうな。いい音で、スクリーンで観たいから、映画館にも観にいこう~。